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お知らせ

2015/02/09 Monday

一通の手紙。~彼がわたしたちに遺してくれたもの~

 

いつもの一週間。いつもの日々がまた始まる。
私はそんな気持ちで、いつも通りに出勤した。
会社に着き、電気を点ける。デスクへ向かうと、何かが置いてあった。
これは…手紙?
不思議に思いながらも好奇心に負け、封を開けてみる。
中には、一通の手紙が入っていた。

 

 

 

 

お前がこの手紙を見ているということは、
俺の身に何かが起きたってことかな?

でも悲しまないでくれ。

俺も悲しくなんてない。

だって俺は、これからお前達が成長していく姿を特等席で見れるんだぜ。

想像してみなよ。

それは、映画館の一番いい席で、迫力の大サウンドでアナと雪の女王を見てるよりもリアルなんだ。

それだけで俺は、悪い気はしないね。

 

 

坂本。

 

 

人間っていうのはな、不思議な生き物なんだ。

 

自宅から会社までの通勤路。
いろんなものが見えるだろ?
でもな、その日の気持ちによって見えるものが違うんだ。

 

 

ハッピーな気分の時は、道の隅っこに咲く花を見たって感動するし、幸せな気分になれる。
でも、ネガティブな気分の時は、そんなの視界にだって入りやしない。
逆に、ちょっとした雑音(ノイズ)などにも敏感に反応してしまって、そして悪い気持ちになる。

 

心ってそんなもんなんだ。

 

 

だから、

戦争は終わらないんだ。

 

人がみんなうれしい気持ちや感謝の気持ちを持ち続けることができれば、どんなに幸せなんだろうな。

でも、神様は人間をそこまで高いクオリティで作っちゃいない。

 

意地悪な話だよ。
な?

 

 

んー、ごめんな。
俺不器用だからこんな言い方しかできないけど、何が言いたいかっていうとな。

これからお前がお客さんを含むいろんな人と接するときは、常に心のなかの一番きれいな思いを抱いた状態で人と接してほしいいんだ。
いや、これは接するというよりもっと深いもの。

 

 

そう。

 

 

心と心の

 

 

シェアだ。

 

 

それが世界規模になることが、

 

 

ワールドシェア

 

 

なんだ。

 

 

え?なんだって?社名の伏線を回収したって?

 

そんなうまくもねーよ。
これから伏線を回収していくのは坂本、

お前たちなんだ。

 

 

心の中の伏線を回収して、最高の未来(桃源郷)を目指して、

3歩進んで4歩下がっても、調子がいいときに一気に8歩進めばいい。

 

 

だろ?

 

 

俺から言えるのは、

 

そんだけだ。

 

 

 

でもな坂本。

 

お前のお父さんとお母さん、ホント嬉しそうだったよ。

 

お前が生まれた時さ。

 

そこには確かにあった、感動と愛情、そしてピュアで透明な kokoro。

 

忘れるんじゃないぞ、坂本。

 

俺達はそのkokoroを世界に発信していく役割を担っているということを。

 

少ししゃべりすぎたようだな。

 

俺から言えるのは、

 

そんだけだ。

 

 

 

でもな坂本。

 

kokoroをただ発信していくだけじゃお前はいつまでたってもケツの青いガキンチョだ。

 

お前は

 

kokoroを発信して、

世界にシェアしていくんだ。

 

坂本。

 

そうだ。

 

俺はお前に今まで秘密にしていたが、

 

やっとそれをお前に伝える時がきたようだ。

 

よくきけよ。

 

 

坂本。

 

 

お前が、

 

 

そう、お前こそが、

 

 

 

 

 

ワールドシェアだ。

 

 

 

kokoro を Happy につなぐ Sakamoto へ

 

 

手紙を落とした。わざとじゃない。勝手に手から滑り落ちた。

 

 

膝から崩れ落ちた。頬に温いものが伝う。
私は、総てを理解した。これが境さんからの手紙であるということと、もう彼はここには戻ってこないのだということを。
嗚呼、彼は、 総て、総てを託して行ってしまったのだ、と。

 

境さん1

脳裏にちらついた。もうここにはもういない彼の姿が。

 

 

膝から崩れて泣いている私の後ろで声がしたような気がした。

泣くんじゃないぜ、
って。

 

 

 

分かりました。境さん。

あなたの意思は、きっと私が、私たちが引き継ぎます。

 

 

 

“ワールドシェア”として。

 

 

 

 

境さん2

 

 

 

ありがとう。また、会う日まで。

 

 

 

 

 

 

 
※この度境氏は家業を継ぐことになりましたので、ワールドシェアを去りましたことをここにご報告致します。

長い間ありがとうございました。