ベトナム恋愛宣言
2015/02/10 Tuesday
第八話 Re:お返事待っています
あのデートの日から数日経った今も、メールは届く。
勤務中でも届く。寝ていても届く。食事中でも。トイレに行っている間でも、ひっきりなしに届くのだった。
「………!」
また携帯が着信した。ティナからのメールである。
「…今日はなんなんだよ…」
頭を掻きながら携帯のメールボックスを開いた。
ティナ:12時店いきますか?
出た…ティナからの『店に来ないか?』メールだ。
指先で器用に文字を打っていく。
のびた:明日行こうかな
すぐさま返事が来た。
ティナ:行かないですか?
ティナ:今、まっていますよ
ティナ:さびしいわあああああ
ティナ:さびしいわあああああ
寒気がした。何か得体の知れないものが背中を走り去ったような感覚…。
気を取り直して、返信するのびた。
のびた:今日疲れたから、明日行くよ。
「…ふう……」
一体全体何なんだ。
全身に一瞬にしてどっと疲れが降ってきた。
あのデートの日のような感じでは、誰がどう見ても“ここで終わり”だったはずだ。
それなのに、まだ自分の元にはメールが来る。しかも尋常な量ではない。
この子はもしかしたら、ヤバイのかもしれない…。
そんなことを思いながら、床に就いた。