おもしろ
2015/02/16 Monday
ラッスンゴレライ言うて働いてます
朝6時。
冬の朝は相変わらず寒いもんだね。
まだ見えない太陽を探して、寝ぼけた体に熱いシャワーを叩き込む。
43度のシャワーから吹き出る高圧な熱のレーザービームで、毛穴の一つ一つがゆっくりと開いていく。
開いた毛穴達から希望が顔を出す。
そしてその希望たちが僕に言うんだ。
「おはよう」
ってね。
こうして一日が始まる。
いつもと違う一日。
境です。
自分本位の考え方と反省と新しい道 から今に至ってる。
これもまた人生。
僕はこれまでデスクワークに勤しんできた。
暑い夏はエアコンの効いた部屋で。
カーディガンなんて羽織って。
じゃあエアコン切れやボケ!
寒い冬は暖房の効いた部屋で。
ジャケットを脱いで。
じゃあ暖房切れや!
これがお前らのやり方かー!
そんな感じで。
人は文明の進化とともにいろんなことを忘れていく。
携帯電話にメール、今じゃLINEなんてものもある。
君は知ってるかい?
好きな女の子に電話をかけると、お母さんが電話にでてとても気まずいあの気持を。
君は知ってるかい?
友達と待ち合わせをしても下手すりゃ巡りあえずにお互い家に帰ってしまうことを。
君は知ってるかい?
各駅に置かれている薄い折りたたみ型の時刻表を。
僕はどれも知っている。
いや、正確には、知っていたんだ。
僕が忘れていること。
それは
ありのままの姿見せることを。
だから僕は
あの頃の僕に
会いに行くんだ。
冬の室内に暖房つけてなければ寒い、だって?
否。
少しも寒くないわ。
植物は嘘をつかない。
いつも素直に、正直に僕と接してくれる。
愛情を注いだ分だけ、それに答えてくれるんだ。
ああ、君はなんていい枝だ。
ん?
なんだって?
僕のほうが男前だって?
いや、君の冬の寒さに逆らうように裸で天に向かって伸びていくその姿こそが
男前
だよ。
枝くん。
今度僕と一緒に由布院の温泉にでもいかないかい?
「だめよー、だめだめ」
いいじゃないのー。
枝くんと一緒に温泉行ったらさー、きっと楽しいと思うんだ。
ねー、だからさー、僕と一緒に温泉にさー、行かないかーい?
「だめよー、だめだめ」
そんなこと言わないでさー、僕と温泉に
「だめよー、だめだめ」
・・・
・・・ほう。
貴様、俺を断るのか・・・
わかった。
じゃあ俺にも考えがある。
バキっ
ボキッ
ウィーンウィーン
ガリガリガリ
・・・
ふう。
さあ、枝くんたち。
僕と一緒に温泉に
行こう。
バック、オーライなり!!!
おっと。
変な妄想に浸っていたぜ。
危ない危ない。
さっ、はらたこっ。
oops!
一輪車に積んだ土もいつの間にか空っぽになってらー。
次の土を運ばないとな。
・・・
俺は何をやっているんだ。
俺はこのままでいいのか。
俺は。
俺は。
・・・
・・・ないと・・・
・・・還らないと・・・
・・・あの場所に・・・還らないと・・・
みんな
みんなが
待っているんだ・・・
こうして僕はまた
都会の雑踏の中に
還っていった。
ビルの隙間から笑顔が顔を出す。
そしてその笑顔たちが僕に言うんだ。
「おかえり」
ってね。