ベトナム恋愛宣言
2014/11/20 Thursday
第四話 のびたの心は砕けない
「いや~良かったよ!のびさん今日来ないかと思ったよ。仕事中じゃなかった?」
知り合いのモモヤマはけらけらと笑いながら言った。
「モモヤマさんのお誘いを断るわけないじゃないですか」
あの後、仕事をほっぽって出てきたことは伏せておいた。面倒なことになっても困るからだ。
あとでスタッフに謝らなくては…。
ここはレタントンのヘムにある山小屋風の店、ロータスという店だ。
モモヤマが行きたいと言っていた店は生憎混んでおり、近くにたまたまのびたの知り合いが働いている店―ロータスが空いていたので、ここに入ることになった。
「そういやこないだ、大変だったらしいな?聞いたよ」
「どこのおしゃべりですか、全く…そうですよ、やられました。同伴代請求されましたよボカァ」
がっくりと項垂れるのびたを尻目に、モモヤマは大笑いしていた。
「まあ向こうもプロだしな、仕方ないこった。そんな過去忘れて、次を探したらどうかね」
「次ですか…」